
こんにちは。管理人のけーちゃんです。
LiteSpeed Cacheの一部の機能は、QUIC.cloudサーバーで処理されます。QUIC.cloudサーバーでの処理は有料ですが、小規模サイトなら使いきれない無料枠が毎月割り当てられます。
ですが割り当てられる無料枠の規模が少し分かりにくいです。
そこで、QUIC.cloudサーバーの無料枠についてまとめてみました。また有料枠を購入する方法についても、お伝えします。
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LiteSpeed CacheとQUIC.cloudの関係
LiteSpeed Cacheはmixhost等が採用しているLiteSpeedサーバーの性能を最大限に活かすことを目的とした、WordPressのプラグインです。そのため、LiteSpeedサーバーを採用していないXServer等で利用しても、あまり意味がありません。
QUIC.cloudサーバーの主な役割はWebサイトへのCDN機能の提供です。CDNはContents Delivery Networkの略称で、世界各地に設置されたCDNサーバーにWebサーバーのコピーを作成しておき、Webサイトの閲覧者に最も近いCDNサーバーから、Webデータを配信することを目的としたサービスです。
CDNの提供
LiteSpeed Cacheは、QUIC.cloudサーバーとの連携を前提として設計されています。
LiteSpeed Cacheは簡単な操作で、QUIC.cloudのアカウント作成とCDNサービスとの連携設定を行うことができます。詳しい方法については、次のページを参照してください。

CDNにはCloudflareなど様々なサービスがあるけど、会員向けサイトなどでLiteSpeed Cacheの機能をフルに使用する場合はQUIC.cloudが手間が少ないですよ
その他のQUIC.cloudサービス
QUIC.cloudは、CDNの他に次のようなサービスを提供しています。
これらのサービスは、LiteSpeed Cacheの設定画面で有効化することで利用できます。基本的には、次の画像のようなオン/オフスイッチをオンにするだけです。

機能を有効化すると、QUIC.cloudサーバーに画像等の必要なデータを送信します。送信は自動で行われますが、手動に切り替えることも可能です。
QUIC.cloudサービスの無料枠と利用料
QUIC.cloudサービスは、WordPressが稼働しているWebサーバーの種類によって、無料枠の割り当て量が変化します。
Webサーバー | CDN (ドル) | 画像最適化(枚) | ページ最適化 (リクエスト数) | LQIP (リクエスト数) |
---|---|---|---|---|
LiteSpeedサーバー以外 | 0.02 | 1000 | 200 | 100 |
LiteSpeedサーバー (オープンソース版LiteSpeed:OpenLiteSpeed) | 0.1 | 5000 | 1000 | 500 |
LiteSpeedエンタープライズサーバー (商用版LiteSpeed:LiteSpeed Web Server Enterprise) | 0.2 | 10000 | 2000 | 1000 |
QUIC.cloud ホスティング パートナー | 0.4 | 20000 | 4000 | 2000 |
表にあるように、LiteSpeedサーバー以外のWebサーバーでもLiteSpeed Cacheプラグインをインストールすれば、QUIC.cloudサービスを利用できます。ですが、QUIC.cloudサービスを有効に活用できるかどうか不明なため、あまりおススメできません。
LiteSpeedサーバーはオープンソース版と商用版があります。オープンソース版は無料で使用できますが、htaccessファイル変更後にサーバーの再起動が必要等の制限があります。
mixhostは『LiteSpeed Enterprise 6.x.x』と明記されてますが、他のレンタルサーバーは明記されていないものが多いようです。

バージョンまで記載されているなら、バージョンで判定できます。オープンソース版はバージョンが1.x.xなので、それ以外は商用版です。
各サービスについて、少し詳しく解説します。
QUIC.cloud CDNの無料枠と利用料
QUIC.cloudのCDNサービスは有料です。ですが、小規模なサイトなら十分賄える程度の無料枠が月単位で割り振られます。
※使用せずに残った無料枠は繰り越されません。
割り当てはドル単位です。
Webサーバー | 無料クレジット | 転送量枠 | |
---|---|---|---|
アメリカ | アジア | ||
LiteSpeedサーバー以外 | 0.02ドル | 1GB | 0.25GB |
LiteSpeedサーバー (オープンソース版LiteSpeed) | 0.1ドル | 5GB | 1.25GB |
LiteSpeedエンタープライズサーバー (商用版LiteSpeed) | 0.2ドル | 10GB | 2.5GB |
QUIC.cloud ホスティング パートナー | 0.4ドル | 20GB | 5GB |
表の転送量枠は、無料枠の範囲内でCDNから閲覧者へデータ転送可能なバイト数です。
ギガバイト当たりの転送料金はアメリカやヨーロッパで0.02ドル、日本を含むアジアは0.08ドルと4倍の差があります。そのため、日本向けサイトは転送量が少ないのですが、収益化できていない小規模なサイトなら無料枠を使い切ることはないでしょう。
無料枠を使いきるとCDNが無効になり、オリジナルサーバーからの直接配信に切り替わります。Webページ表示でエラーにならないので安心ですが、オリジナルサーバーに大きな負担をかける可能性があります。
無料枠終了後にCDNを無効化させたくないときは、有料枠を1ドル単位で追加できます。

収益化できてるWebサイトは有料枠購入を検討した方がいいかもしれません
QUIC.cloud画像最適化サービスの無料枠と利用料
QUIC.cloudの画像最適化サービスは、WordPressにメディア登録された画像を最適化してファイルサイズを削減します。これにより、Webページの表示速度が向上します。
このサービスは無料です。
ただし画像最適化サービスには標準キューと高速キューがあり、高速キューで処理する場合は有料です。

標準キューと高速キューの差異が速度だけなのかについて疑問ですが、公式の解説が無いため不明です。
高速キューはCDNと同じように月ごとの無料枠が割り当てられます。無料枠が残っている場合は、高速キューが使用されます。
画像最適化サービスは画像枚数が割り当てられます。CDNと同様にWebサーバーの種類で割り当て数が変動します。地域別での割り当て数変動はありません。全て一律で割り当てられます。
Webサーバー | 画像数 |
---|---|
LiteSpeedサーバー以外 | 1000枚 |
LiteSpeedサーバー (オープンソース版LiteSpeed) | 5000枚 |
LiteSpeedエンタープライズサーバー (オープンソース版LiteSpeed) | 10000枚 |
QUIC.cloud ホスティング パートナー | 20000枚 |
LiteSpeedサーバーなら最低でも5000枚の画像を最適化できます。画像投稿サイトなど閲覧者が画像を投稿するのでなければ、無料枠のみで運営可能です。
無料枠を超える場合は、有料枠として10000枚の利用枠を3ドルで購入できます。それほど高額ではないので、毎月の画像増加数が極端に多いサイトは購入を検討してもよさそうです。
なお画像最適化サービスは、一日に利用できる画像数が割り当てられます。割り当て数を超えると、翌日に回されるので、画像数が多い場合は全ての画像が最適化されるまで数日かかる可能性があります。
QUIC.cloudページ最適化サービスの無料枠と利用料
QUIC.cloudページ最適化サービスは、LiteSpeed Cacheの『クリティカルCSS』『ユニークCSS』『ビューポートイメージ』の三つの機能で利用します。
- クリティカルCSS(CCSS):
ファーストビューで使用しているCSSを抜き出す - ユニークCSS(UCSS):
Webページで使用していないCSSを除外する - ビューポートイメージ(VPI):
ファーストビューに含まれる画像を抽出して遅延読み込み対象外とする
このサービスも有料です。ただし月ごとの無料枠がリクエスト数で割り当てられます。
※使用せずに残った無料枠は繰り越されません。
Webサーバー | リクエスト数 |
---|---|
LiteSpeedサーバー以外 | 200 |
LiteSpeedサーバー (オープンソース版LiteSpeed) | 1000 |
LiteSpeedエンタープライズサーバー (オープンソース版LiteSpeed) | 2000 |
QUIC.cloud ホスティング パートナー | 4000 |
この割り当て数は、一日に一記事程度の投稿なら十分なリクエスト数です。
このサービスで生成されたデータは記事パージでの削除対象に含まれないので、記事更新を頻繁に行ってもリクエスト数が消費されることもありません。
ですが、Webページのファーストビューに今まで使用していなかったブロックを挿入したり、スタイルを大きく変えるなどの変更を行うと、レイアウトが乱れる可能性があります。このようなケースでは、『クリティカルCSS』『ユニークCSS』『ビューポートイメージ』のキャッシュを削除して、ページ最適化サービスを再適用する必要があります。
このときリクエスト数が大きく消費される可能性があります。場合によっては無料枠全てを消費しても、全ての記事を最適化できないケースもあります。
無料枠を超える場合は、有料枠として5000リクエストの利用枠を3ドルで購入できます。こちらもそれほど高額ではないので、必要に応じて購入を検討してもよさそうです。
なおページ最適化サービスも、一日に利用できるリクエスト数が割り当てられます。この割り当て数を超えると、翌日に処理されます。
QUIC.cloud LQIP生成サービスの無料枠と利用料
QUIC.cloudのLQIP生成サービスは、画像遅延読み込み機能で画像読み込み前に初期表示する画像を生成します。
生成する画像は、最終的に表示される画像を低品質で圧縮したものです。画像読み込み前に、これから表示される画像の雰囲気を伝えることができます。
このサービスも有料です。ただし月ごとの無料枠がリクエスト数で割り当てられます。
※使用せずに残った無料枠は繰り越されません。
Webサーバー | リクエスト数 |
---|---|
LiteSpeedサーバー以外 | 100 |
LiteSpeedサーバー (オープンソース版LiteSpeed) | 500 |
LiteSpeedエンタープライズサーバー (オープンソース版LiteSpeed) | 1000 |
QUIC.cloud ホスティング パートナー | 2000 |
画像を多用するサイトは無料枠を使い切る可能性がありますが、一般的なWebサイトなら十分な割り当て数です。
実際には、LQIPとして生成された画像はあまり有用ではありません。
LQIP生成後の品質を指定できるのですが、低い品質を指定すると、ほぼ一色の画像が生成されます。そのため、デフォルトの灰色画像や透明画像で十分です。
それなりに高い品質を指定することで、これから表示される画像の雰囲気を感じることができる画像を生成できますが、Webサイトのデータ量が大幅に増えます。その結果ページの表示速度が遅くなります。画像の遅延読み込みの目的はページの表示速度を少しでも早くすることなので、その目的を打ち消してしまいます。
ただしスマホ等の通信速度が遅い環境なら、効果的なケースもあります。実際に体感して、使用すべきか検討するべきです。
画像の多様等で無料枠を超える場合は、有料枠として3000リクエストの利用枠を2ドルで購入できます。
なおLQIP生成サービスも、一日に利用できるリクエスト数が割り当てられます。この割り当て数を超えると、翌日に処理されます。
無料枠使用料と一日の割り当て数の確認方法
QUIC.cloudサービスの無料枠使用料と一日の割り当て数は、LiteSpeed Cache上で確認できます。
WordPressの管理画面にログインして、LiteSpeed Cacheのダッシュボードを開きます。
開いたダッシュボードの上部にある『QUIC.cloud サービスの使用統計』が、QUIC.cloud サービスの無料枠情報です。

使用統計には、月内の無料枠利用状況と、一日の無料枠利用状況が表示されています。
- 『使用量』
月内の無料枠利用状況です。『of』の前の数値が使用した数で、後ろが無料枠の総量です。前後の数値が同じ数量になった時点で、次月まで無料枠を使用できません。 - 『一日の残り割当量』
一日に利用できる無料枠の利用状況です。『/』の前の数値が残りの使用量で、後ろが一日分の無料枠の総量です。前の数値がゼロになった時点で、翌日まで無料枠を使用できません。
『使用量』と『一日の残り割当量』は、残数表記が異なります。サービスを利用すると、『使用量』は数値が増え、『一日の残り割当量』は数値が減ります。

残数表記の違いが判らないと、『一日の残り割当量』は、使っていないのに使い切っている印象を受けますね
有料枠の購入方法
無料枠を超えてサービスを使用するときは、利用枠を有料で追加できます。
有料枠は、『QUIC.cloudのアカウント作成』と、『LiteSpeed CacheとQUIC.cloudとのリンク』後に、QUIC.cloudの管理画面で購入します。
QUIC.cloudのアカウント作成
QUIC.cloudのアカウント作成は次項の『LiteSpeed CacheとQUIC.cloudとのリンク』でも行えますが、メールアドレスの入力ミス等でQUIC.cloudアカウントにログインできない等の事故が発生する可能性があります。
先にQUIC.cloudのアカウントを作成した方が安全です。
- QUIC.cloudの公式ページを表示する
公式ページ:https://www.quic.cloud/ - 画面上部の「Register」をクリックする
- メールアドレスとパスワードを入力して、チェックボックスをチェックする。最後に「Register」をクリックする
- 送信されてきたメールを開き、「Activate Account」をクリックする
- 「アカウントのアクティブ化が成功した」という意味のメッセージが表示される。「My Dashboard」をクリックする
LiteSpeed CacheとQUIC.cloudとのリンク
最初にQUIC.cloudアカウントにブラウザでログインしておきます。ログインしなくても作業を進めることができますが、手順が変わる可能性があります。
- LiteSpeed Cacheの一般設定画面を表示する
- ドメインキー欄の右端にある『QUIC.cloudへのリンク』をクリックする
- QUIC.cloudとWordPressとのリンク確認画面が表示されるので、『Yes』を選択して『Continue』を押す
Yes:この新しいドメインを自分のアカウントにリンクします。
No:このドメインを別のアカウントにリンクします。
Stay Anonymous:このドメインをどのアカウントにもリンクしたくありません。 - リンクが成功すると、『QUIC.cloudへのリンク』が『QUIC.cloudのマイダッシュボードにアクセス』に変ります。
以降は『QUIC.cloudのマイダッシュボードにアクセス』を押すと、QUIC.cloudのログイン画面またはマイダッシュボード画面を表示できます。
QUIC.cloudの管理画面で購入
QUIC.cloudでのサービス購入は、最初にQUIC.cloudアカウントにサービスで利用可能なクレジットを追加(購入)します。次に追加したクレジットを使って、サービスの利用枠を追加します。
クレジット追加購入の支払いは『クレジットカード』または『PayPal』で行います。使用可能なクレジットカードの詳細が不明なので、PayPalを利用した方がよいかもしれません。
クレジットの追加
QUIC.cloudアカウントへのクレジット追加は、Credit Balance画面で行います。
QUIC.cloudの管理画面で、画面上のプロフィールアイコンをクリックして表示されたメニューから『Credit Balance』を選択します。

『Your Account Credit Details』(アカウント クレジットの詳細)画面が表示されます。

画面内の英語を翻訳すると、次のようになります。
クレジット残高を使用して、CDN帯域幅またはオンラインサービスの割り当てを購入します。クレジットはサービスに自動的に割り当てられません。クレジットを1回限りの従量課金制割り当てブーストに割り当てたり、特定のサービスの追加月間割り当てをサブスクライブしたり、利用可能な場合は自動補充を有効にしたりできます。

要約すると、サービスを利用するならクレジットが必要だよ、という意味です
『+ Buy credit』を押すつ、『Recharge Account Balance』(アカウント残高のチャージ)画面が表示されます。

画面内の英語を翻訳すると、次のようになります。
クレジットを使用して、QUIC.cloud サービス (画像最適化、CSS サービスなど) と CDN 帯域幅の追加割り当てを購入します。クレジットは、使用するまでアカウントに残ります。
アカウントに追加する金額(ドル)を選択して『Continue』を押します。
『Review Order』(注文の確認)画面が表示されます。

『Checkout』を押すと、『New Payment Details』(新しい支払いの詳細)画面が表示されます。

この画面で支払い方法を選択します。
画面内のリストボックスから『Credit Card』を選択すると、カード番号等のクレジットカード支払いに必要な情報の入力欄が表示されます。情報を入力して『Submit Order』を押して処理を進めてください。
画面内の『PayPal Checkout』を選択後に『Submit Order』を押すと、『PayPalで支払う』ボタンが表示されます。ボタンを押して処理を進めてください。
サービスの利用枠の追加
サービスの利用枠は、各サービス画面の最下欄で追加できます。

『Monthly Subscriptions』は月単位のサブスクです。『Pay as You Go』は一回限りの購入です。
『Enable Auto Refill』を押すと、自動購入設定画面が表示されます。CDNで無料枠を使い切ったときにCDNを継続したいときは、この機能を使うとよいでしょう。
まとめ
QUIC.cloudは月ごとに、各サービスで使用できる無料枠を割り当てます。この無料枠は、小規模なサイトなら超えずに運用できます。
無料枠を使い切ったときは、サービスの利用枠を有料で追加できます。利用方法は、QUIC.cloud内で使用できるクレジットをクレジットカードまたはPayPalで購入後に、利用したいサービスに適用します。
LiteSpeed Cacheは非常に高度なキャッシュ機能を備えていますが、QUIC.cloud以外のCDNでその機能を十分に活かすためには非常に多くの知識と手間が必要です。QUIC.cloudはLiteSpeed Cacheの設定がそのまま適用されるので、知識も手間も必要ありません。
LiteSpeed Cacheを使用しているなら、QUIC.cloudのCDNを利用してみてください!